愛するには短すぎる』(あいするにはみじかすぎる)は、宝塚歌劇団のミュージカル作品。原案は小林公平。脚本・演出は正塚晴彦。

概要

2006年に星組で初演。その後も再演されているオリジナル作品。

原案の小林公平は主題歌の作詞も手がけた。

あらすじ

資産家の養子であるフレッド・ウォーバスクは、英国留学を終え、友人のアンソニー・ランドルフと共にサザンプトンからニューヨークへと向かう大西洋横断豪華客船で帰国の途中だった。ケンブリッジの大学院を卒業したフレッドは、帰国後に養父の事業を継承すること、資産家令嬢のナンシー・ブラウンとの婚約が決まっていた。

航海初日にフレッドは、船のショーチームのメンバーであるバーバラ・オブライエンと出会う。フレッドがバンドマネージャーから言い寄られているバーバラを助ける。お互いの話をしているうち、フレッドとバーバラは、同じ故郷の幼なじみであることに気づく。その偶然が、お互いの気持ちにあるときめきと葛藤を芽生えさせた。そして、フレッドは自ら歩んで来た道とこれから選ぶ道について、色々な葛藤が生まれていくことになる。

フレッドからバーバラを紹介されたアンソニーは、バーバラに一目惚れをしてしまう。バーバラにバンドマネージャーからの借金があることを知ったアンソニーは、彼女の借金の肩代わりをするためにフレッドに借金を申し込む。心中おだやかではないフレッドだった。

4日間の短い航海の中でも、宝石の盗難事件や、若手女優の立てこもりなど、船上にてさまざまな出来事が繰り広げられる。その最中にフレッドとアンソニーの男の友情、フレッドとバーバラの揺れ動く恋心などが織り交ぜられていく。

航海を終えたとき、フレッドとバーバラはどのような結論を出すのだろうか…。

登場人物

  • フレッド・ウォーバックス - 資産家の養子、元の名前はマイケル・ウェイン
  • バーバラ・オブライエン - 船のショーチームのメンバー、元の名前はクラウディア・ヘニング
  • アンソニー・ランドルフ - フレッドの友人
  • ジェラルド・ウォーバスク - フレッドの養父で資産家
  • ブランドン・オサリバン(アンマリー・オサリバン) - フレッドの執事
  • マーシャル・ウェンズワース - 客船の船長
  • マクニール・オコーナー - 客船の乗客で舞台プロデューサー
  • フランク・ペンドルトン - 船のショーチームのマネージャー
  • ナンシー・ブラウン - フレッドの婚約者
  • ドリー・マコーミック - 新人女優
  • デイブ・キャシディ - ドリーのマネージャー

これまでの公演

2006年星組・初演
宝塚大劇場(8月11日(金)- 9月18日(月)(新人公演:9月5日(火)))/東京宝塚劇場(10月6日(金)- 11月12日(日)(新人公演:10月17日(火)))でそれぞれ上演。
併演はレヴュー「ネオ・ダンディズム! - 男の美学 -」(作・演出:岡田敬二)。
16場。
湖月わたるの退団公演。
2011年星組・中日劇場(2月1日(火)- 2月24日(木))公演
併演はショー「ル・ポァゾン 愛の媚薬II 」(作・演出:岡田敬二)。
この公演をもって、当時の二番手男役スターの凰稀かなめが宙組に組替え。
2012年月組・全国ツアー(10月20日(土)- 11月14日(水))
ブランドン・オサリバン役が、アンマリー・オサリバン役として、男役から女役にリメイクされた。
併演は「Heat on Beat!」(作・演出:三木章雄)
2023年雪組・全国ツアー(8月25日(金)- 9月18日(月))
併演はファッシネイト・レビュー『ジュエル・ド・パリ!!』-パリの宝石たち-(作・演出:藤井大介)

スタッフ

2006年

宝塚大劇場公演のデータ
  • 脚本・演出:正塚晴彦
  • 音楽:高橋城、玉麻尚一、青木朝子、太田健
  • 音楽指揮:大谷木靖
  • 振付:伊賀裕子、平澤智
  • 装置:大橋泰弘
  • 衣装:任田幾英
  • 照明:勝柴次朗
  • 音響:大坪正仁
  • 小道具:伊集院徹也
  • 効果:株式会社 宝塚舞台
  • 歌唱指導:木村恭子
  • 演出助手:児玉明子
  • 舞台進行:荒金健二、片桐喜芳
  • 制作:村上信夫

配役一覧

()は新人公演。不明点は空白とする。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 監修・著作権者:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて(舞台編)』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日。ISBN 978-4-484-14600-3。 
  • 監修・著作権者:小林公一『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて(人物編)』阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日。ISBN 978-4-484-14601-0。 

外部リンク

  • 宝塚大劇場星組公演『愛するには短すぎる』/『ネオ・ダンディズム』(宝塚歌劇公式)
  • 東京宝塚劇場公演『愛するには短すぎる』/『ネオ・ダンディズム』(宝塚歌劇公式)
  • 中日劇場星組公演『愛するには短すぎる』/『ル・ポアゾン 愛の媚薬II』(宝塚歌劇公式)
  • 月組全国ツアー公演『愛するには短すぎる』/『Heat on Beat』(宝塚歌劇公式)

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