花重本店(はなじゅうほんてん、Hanaju Honten Co.,Ltd.)は、東京都台東区谷中7丁目5番27号に所在する、1877年(明治10年)建築の歴史的建造物(店舗)。

概要

花重店舗は、1874年(明治7年)に開園した谷中墓地(現・谷中霊園)内に、3年後の1877年(明治10年)に生花問屋として開業した。創業時から墓参り用の供花を手掛け、著名人の関係者からは一対の竹筒に生花を挿す「筒花」をよく頼まれ、晩年の渋沢栄一も徳川慶喜の命日前に店を訪れ、筒花を注文したという。

横山大観夫妻や、愛犬を連れた彫刻家・朝倉文夫もよく来店していたという。

1階は花屋として営業し、2階が居室として使われていた。

谷中墓地は、当時、感応寺(現・天王寺)の寺域であったことから、江戸・明治期の谷中の景観を伝える建物と考えられ、花重の建物調査をした「たいとう歴史都市研究会」によると、建築時から同じ商売を続ける明治期の建物は希少で、時代のうねりを見守ってきた証人とも考えられている。

2016年(平成28年)に、国の登録有形文化財(建造物)に登録された。

2022年(令和4年)全面リニューアルに向け建物、歴史調査、リニューアル工事を開始。

沿革

  • 1870年(明治3年) - 初代・関江重三郎、現在地に生花問屋花重を創業。
  • 1877年 (明治10年) - 現在の店舗を建築。
  • 1924年(大正13年) - 卸売業に転換。
  • 1947年(昭和22年) - 小売業に転換。
  • 1953年(昭和28年) - 株式会社花重商店設立。
  • 1965年(昭和40年) - 東京フラワーデザインセンター開設。
  • 1970年(昭和45年) - 創業100年を機に、株式会社老舗花重に社名変更。
  • 1972年(昭和47年) - 日本フロリスト養成学校開設。
  • 1987年(昭和62年) - 三代目・関江重三郎、昭和の名工及び卓越技能者で業界第1号で労働省表彰。
  • 2016年(平成28年) - 先代の頃からの借金が嵩んで経営悪化し、その頃、10数人いた社員を一斉解雇。
  • 2020年(令和2年)- 4月に三代目店主が急逝したため、やむなく、6月に一旦閉店するも、4代目店主である中瀬いくよは「明治期の建物を残し、伝統技術を伝えなさい」といった父親との約束が頭から離れず、知人からの激励もあり、「続けることは宿命」と思い直し、地元の不動産関連会社が「歴史ある土地と店を守ろう」と支援を行い、同年10月に新会社を立ち上げて花重の経営を受け継ぐことになった。店主は「ずっとご先祖様に見守られている気がしている」という。
  • 2022年(令和4年)- 1月末から外観はそのまま生かす形で耐震化などの改修を始め、今後は店主の娘やアルバイト3人とともに営業を続けながら、フラワースクールの再開も目指し、春にリニューアルし、夏に運営会社が裏手にカフェを開く考えもあるとしていた。
  • 2023年(令和5年)3月3日-改装中は台東区根岸の仮店舗にて営業していたが、約3年のリニューアル工事の末、谷中にて営業開始。尚、建物に併設するカフェはこの時点で未完成だったが、改修計画である「花重リノベーション」は竣工し、同年7月22日の開業に先立ち、前日である7月21日に内覧会が開かれた。

文化財

登録有形文化財(建造物)
花重店舗
登録年月日:2003年(平成15年)1月31日、種別:住宅/建築物、登録基準:国土の歴史的景観に寄与しているもの。
年代:1877年(明治10年)建築、木造2階建、瓦葺、建築面積37m2

交通

鉄道
日暮里駅より450m徒歩6分
  • 山手線
  • 京浜東北線
  • 常磐線
  • 日暮里・舎人ライナー

脚注

関連文献

  • 東京都教育委員会『東京都の近代和風建築 東京都近代和風建築総合調査報告書』「花重」東京都教育庁地域教育支援部管理課、2009年

関連項目

  • 登録有形文化財一覧
  • 日暮里駅
  • 谷中霊園

外部リンク

  • 花重店舗 - 文化遺産オンライン(文化庁)
  • 花重オンラインショップ

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